自分の「好き」に正直に。自由に描くクッキーボーイの世界

色とりどりのアイシングクッキーで、さまざまなファッションブランドとコラボレーションを行うクッキーボーイ(COOKIEBOY)さん。グラフィックデザイナーとしても活動する彼は、自分の好きなコトやモノに正直で、自由にアートを楽しむ人。そんなクッキーボーイさんとのコラボウォッチは一体どんなデザインを纏っているのか。デザインの裏話から、クッキーボーイさんご自身のことまで、たっぷりお話を聞きました。

 

|アトリエでアイシングクッキーに挑戦!

 

―今回は、アイシングクッキー人気の火付け役とも言われているクッキーボーイさんのアトリエにお邪魔しています。本日はよろしくお願いします。

クッキーボーイさん:よろしくお願いします。

アイシングクッキーアーティスト/グラフィックデザイナー クッキーボーイさん

 

―今回は、アイシングクッキーのワークショップを体験しながらクッキーボーイさんについてたっぷりお話を伺いたいと思います!どのような活動をされているんですか?

クッキーボーイさん:今は、ファッションブランドとのコラボレーションや、オーダーでクッキーを作ったり、最近は新型コロナウイルスの影響で開催できていないのですが、ワークショップなども行っています。

カラフルなクッキーに自由にデコレーションするワークショップ。取材フタッフも、ワークショップに参加しました!

 

―幅広く活動されているんですね。アイシングクッキーのテーマは何ですか?

クッキーボーイさん:「食べられないものを食べる」をテーマにデザインしています。例えば、蝶などの虫やファッションアイテムなど。

 

―なぜ、そのテーマにされたんですか!?

クッキーボーイさん:アイシングクッキーといえば、ファンシーなカラーが多いんですけど、僕は奇抜なカラーが好きで。今ではかわいいデザインもしますが、当時は他には無いものを作りたかったんです。虫なんてすごいインパクトあるじゃないですか。そっちの方が面白く思ってもらえるかなと。

―クッキーボーイさんがデザインするアイシングクッキーは、奇抜で目を引きますよね。これまでどのようなアートに触れて今の表現に至ったのか、とても気になります!

 

|自分がやりたいことに正直に

 

―クッキーボーイさんは京都ご出身なんですよね。ご実家は西陣織屋をされているとか。

クッキーボーイさん:ええ。家には織り機がたくさんあって、職人さんがカタカタと織をしているのを近くで見ていました。

 

―幼い頃から芸術を身近に感じられていたということですが、いつ頃からアートに関わるお仕事に就きたいと?

クッキーボーイさん:いつからやろう?でも、子供の頃からモノづくりが好きで、高校から芸術系の学校に通っていました。その頃から服に興味を持ちはじめ、将来はファッションに関わる仕事ができたらなと思っていましたね。両親からは、家が西陣織屋ということもあり、まずは「布から学びなさい」と言われて、美術大学でテキスタイルを学んでいました。

 

―テキスタイルですか。学生の頃はどのような作品を作られていたんですか?

クッキーボーイさん:結構自由に制作していましたね。テキスタイル学部でしたが、立体作品を作ったり、空間デザインをしたり。

 

―枠にはまらず、本当に自由に制作されていたんですね。

クッキーボーイさん:そうですね。通っていた大学もとても自由な学校でした。学生もみんな自由気ままで(笑)自由な環境にいたからこそ、作品制作も自分のやりたいように取り組めたのかなと。

―すごい大学ですね(笑)自由に作品作りに打ち込んで、ファッションに関わるお仕事を目指していたクッキーボーイさんが、なぜアイシングクッキーの道へ?

クッキーボーイさん:うーん、流れで。というのがしっくりくるかもしれません。大学を卒業後、子供服の会社への就職が決まっていたのですが、初任給が安くて…。東京でやっていけへんのちゃう?と思い、そのお仕事を辞退したんです。

 

―ほう!

クッキーボーイさん:それで、東京で何をしよう?と考えていて、当時カフェブームだったこともあり、オシャレなカフェを開きたいなと。それで、お菓子を学びたく、マフィン屋で働きはじめました。一人暮らしもはじめてで、自炊をするようになり食への興味が湧いてきたのがこの頃。パン屋に就職もしていたのですが、学生の頃からカラフルで派手な作品を作っていたので、茶色いパンでは物足りなくなってきて。そんな時に、テレビでたまたま観たのがアイシングクッキー。カラフルなデザインが面白いと思い、自分でも作ってみることにしたんです。

―そんな経緯が。それから、どのように活動が広がって行ったんですか?

クッキーボーイさん:まずは独学でアイシングクッキーを学び、友人にプレゼントしたりしました。その友人はアパレル会社で働いているので、靴をモチーフにしたデザインをして贈りました。

 

―靴をモチーフに!ご友人はなんと?

クッキーボーイさん:とても喜んでくれましたよ。他の友人にも配ってくれて。当時、アイシングクッキーは日本ではメジャーではなかったので、興味を持ってくれる人が多かったです。それから友人の宣伝でどんどん広まり、企業からも注文がくるようになりました。最初はパン屋と両立してやっていたんですが、忙しくなって独立を決めました。

 

―クッキーボーイさんはアイシングクッキー人気の火付け役とも言われています。最近では日本でも浸透してきましたよね。

クッキーボーイさん:そうですね。たまに僕の作品を見て「アイシングクッキーをはじめました」と言ってくれる人がいたり。そういうことを聞くと嬉しくなります。

 

―それは嬉しいですね!最近は開催されていないとのことですが、ワークショップはいかがですか?わたしは、今日初めて体験をして、とても悪戦苦闘しています(笑)

クッキーボーイさん:最初はまっすぐな線を描くのも難しいですよね(笑)大丈夫、線の歪みもデザインということにしましょう!

 

―そうします(笑)でも、アイシングクッキーは想像以上に楽しいです!

クッキーボーイさん:僕も、こんな風にワークショップをする時間が一番楽しいです。普段、注文を受けて、作って、発送の繰り返しで、お客さんと顔を合わせることが少ないんです。だから、顔を合わせて、お話できるワークショップは本当に楽しい。また、いろんな発見があるんですよ。基本自由にデザインをしてねと言っているのですが、子供は、特に自由で伸び伸びしていて、かわいいんですよね。「この色の組み合わせするんだ」とか。見ていて勉強にもなります。

左:クッキーボーイさん作 右:Q&Q SmileSolar 取材スタッフ作

 

―子供の奇想天外な発想を見ていると将来が楽しみになりますよね。
クッキーボーイさんは、これからもアイシングクッキーをメインに活動されるんですか?目標などがあればお伺いしたいです。

クッキーボーイさん:アイシングクッキーに限らず、興味のあることはどんどん挑戦したいですね。今は、カフェをいつか開きたいと思っています。アイシングクッキーやパフェやケーキ、フード以外の作品を店内に置いて、なんでも売っちゃうカフェ!それこそ、今回コラボレーションをした時計も販売したり。自由に好きなものをお届けする空間を作りたいです。

―クッキーボーイさんがお店をしたら、すごくかわいい世界観になりそう!絶対行きたい!

 

|カラフルからクラシックな世界へ

―今回のコラボウィッチは、クッキーボーイさんのカラフルな世界観とは裏腹にとてもシックなカラーとデザインですね。

クッキーボーイさん:実は、クッキーボーイとは別に「classic COOKIEBOY」という名でグラフィックデザインも行なっているんです。今回のコラボウォッチでは、classic COOKIEBOYとして、時計をデザインしました。

 

―お名前にある「クラシック」とは一体?

クッキーボーイさん:80年代のアメリカがすごく好きなんです。ポップで奇抜なアイシングクッキーとはまた違い、クラシックでは、ヴィンテージ感あふれる世界を描いています。そういう意味で、名前に「クラシック」というワードを入れました。

 

―いろんな表情をお持ちなんですね。

クッキーボーイさん:アイシングクッキーだけにこだわらず、自分のやりたいことは迷わずやっちゃいます。もともとファッションが好きだから、クラシックの方ではファッショングッズを多く展開したり。表現の数を増やせば、その分活動の幅も広がるし、自分としても楽しいです。

 

―自分の「好き」に正直に、デザインを楽しまれているんですね。時計のデザインははじめてですか?

クッキーボーイさん:ええ。デザインするスペースが限られているので、イラストのバランスを調整するのに苦労しましたが、楽しんで取り組めました。

 

―イラストは今回用に書き下ろしを?

クッキーボーイさん:いえ、これまで描きためたイラストを抜粋しデザインしました。今回採用されたコラボウォッチに植物が多いのは、その時、植物ばかり描いていたからだと思います。他にも、2案デザインをして提出しました。

―どれもオシャレでかわいいですね!

クッキーボーイさん:ありがとうございます。どの時計も「自分が着けたいデザイン」を意識しました。僕は、80年代アメリカの男女を描いた真ん中の時計も好きですが、よりたくさんの人に着けてもらえるのは、やはり今回のデザインかなと。

 

―確かに、シックなカラーとデザインだから男女問わず着けやすそうですね。

クッキーボーイさん:カップルでお揃いにしてもかわいいと思います。ベルト部分に柄が多いので、文字盤はあえて柄を入れていません。

―ベルトのデザインがより引き立ちますね。最後に、この時計を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。

クッキーボーイさん:僕のアイシングクッキーは、贈りもので渡されることが多いです。「わ!」と驚くような奇抜なデザインにサプライズ感があるからだと思うんですが、僕自身、「驚きを与えたい」という想いは強く持っています。それはこの時計も同じ。箱を開けて、身に着けた時に笑顔になってもらえたらいいなと。ご自身用にはもちろん、誰かへのプレゼントにもぴったりなので、買っていただけたら嬉しいです。また、クッキー作りでも、グラフィックデザインでもそうですが、この時計は僕自身自由に楽しんでデザインしました。だから、皆さんも自由に身につけて毎日を楽しんでほしいです!

おわりに
クッキーボーイさんがデザインしたコラボウォッチは12月1日発売。大切な友人やパートナーとぜひお揃いで。この時計を身につけることで、自分の好きに正直になろう!と思ってもらえると嬉しいです。

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